2025.08.17

「相続税が払えない!」を解決する融資の選択肢

税理士 小山寛史
税理士 小山寛史

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はじめに

この記事では、相続税の納付が困難なときに活用できる融資という選択肢について解説します。

相続財産が不動産中心などで現金がなく、「相続税が払えない!」と悩む方は少なくありません。


相続税はいつまでに払えばよいのか?

では、相続税の納付は、いつまでに行う必要があるのでしょうか。

国税庁のHPに「相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内に行うこと」という記載があります。

出典:No.4205 相続税の申告と納税|国税庁

つまり、被相続人が亡くなったことを知った日から10か月の間に、申告と納付を完了させる必要があります。

納税方法は原則として、現金一括納付です。期日を過ぎてしまうと延滞税加算税が発生するため、十分な注意が必要になります。

また、納税資金の準備や手続きには時間がかかることもあるため、早めの対策が重要となります。


相続税が払えない場合の選択肢

相続税は期限内に現金で納付することが原則ですが、期限までに現金での一括納付が困難な場合には以下のような納付方法が検討できます。

不動産などの相続財産を売却

相続により受け取った財産(不動産など)を現金化し、納税資金にあてる方法です。

延納または物納

国税庁が定める一定の要件を満たすことで、延納(分割払い)または相続した財産を物納(不動産などの現物納付)によって納付する方法です。

出典:延納・物納申請等|国税庁

期限内に現金での一括納付が難しい場合、金融機関から融資を受ける方法もあります。

こちらは相続した財産を現金化せずに納税したい方に有効です。


金融機関からの借入について

ここからは金融機関からの借り入れについて詳しくご説明いたします。

金融機関では相続税の納付が難しい方を支援する仕組みとして、相続に関する資金の融資借り入れが提供されています。

金融機関により商品名や内容、融資金額などは異なりますが、これらの資金は相続税納税のためだけでなく、代償金や相続に関する諸経費などにも使うことができます。

東京スター銀行 相続関連ローン(スター不動産担保ローン)

  • 金利 年1.25%~6.75%(変動金利)
  • 融資額 100万円以上1億円以内(不動産担保)  
  • 融資期間 1年以上30年以内

相続関連ローン(スター不動産担保ローン) | 金利・融資期間・返済シミュレーション | 東京スター銀行

横浜銀行 大型フリーローン相続関連資金

  • 金利 借入時の金利(変動金利)
  • 融資額 3億円以内かつ必要資金の範囲内
  • 融資期間 証書貸付20年以内 手形貸付1年以内

商品概要説明書(大型フリーローン相続関連資金)|横浜銀行

スルガ銀行 スーパーアセットプラン(相続・事業承継サポートプラン)

  • 金利 年2.3%~4.0%(変動金利)
  • 融資額 100万円以上3億円以内
  • 融資期間 1年以上35年以内

目的別ローン 相続・事業承継サポートプラン(有担保)|商品・サービス|個人のお客さま|スルガ銀行


金融機関からの借り入れる時のメリット

金融機関から借り入れる際のメリットとしては大きく2つあります。

相続財産をそのまま保有できる

金融機関から融資を受けることで、相続した不動産を売却したり、物納のために相続財産を手放さなければいけないということを防ぐことができます。

融資利率が低い

融資を受けた場合利子を支払う必要がありますが、延納した場合の利子税よりも利率が低いことが多いため、延納よりも有利となることがあります。

金融機関から融資を受ける前に利率を比較検討することが重要です。


金融機関からの借り入れる時のデメリット(注意点)

金融機関から借り入れる際の注意点として以下のようなことが挙げられます。

相続税を支払うための融資の借入は審査が厳しい

審査に通りにくかったり、審査期間が長引くと申告期限に間に合わなくなる可能性があるため、融資を受ける場合は早めの行動が必要になってきます。

担保や保証人が必要

無担保で借り入れることができる機関もありますが、相続税の支払いのために多額の借り入れが必要となると担保や保証人が必要となってきます。

返済できる見込みはあるか

金融機関から融資を借り入れる前に、返済できる見込みがあるのか、延滞が及ぼす影響を考慮しなければいけません。


おわりに

いかがでしたか?この記事では、相続税の現金一括納付が困難なときに活用できる「融資」という選択肢について説明いたしました。

相続税が払えない場合、どのような方法があるのか知っておくことで選択の幅が広がります。

納税に困った際は、これらの選択肢も視野にいれて検討されても良いのではないでしょうか。

それぞれの方法を比較して、どの選択が自分にとって有利になるのか考えることが重要です。


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